詩「星」

「星」    藤川幸之助
星は
高い高い山のてっぺんの明かり。
そこにあなたは一人で住んでいて
来る日も来る日も
夕べになると私によびかける。
「今日はどんな日だったかい」
と 輝きながら呼びかける。
今日はいい日だったなあ
仕事も順調に進んでさ と言うと
「それはよかった
    いい一日だったね」
と 星のあなたは言う。
今日は怒っちゃったなあ
大声あげてさ と言うと
「それはよかった
    いい一日だったね」
と 星のあなたは言う。
今日は泣いちゃった
と 言っても
今日は笑ったよ
と 言っても
今日は失敗して
人に迷惑かけた
と 落ち込んでいても
「それはよかった
    いい一日だったね」
と 星のあなたは言うだけ。
「それはよかった
    いい一日だったね」
と。
※「ライスカレーと母と海」(ポプラ社)より
1-星からおりてきた人の話
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