私【わたし大賞】選定委員に!◆石川佳純さんの【わたし大賞】は?

◆私が選定委員になったのは、三井住友信託銀行主催の【わたし大賞】という賞だ。歌人の穂村 弘さん、エッセイストの大平 一枝さんと詩人の私の3人で作品を拝見することになった。

◆自分のとってのすばらしい出来事や感謝したいあの人、愛すべきモノや忘れられないあの場所を讃え、エピソードを添えて「わたし大賞」という感謝を込めたを賞状を贈るというもの。

https://www.smtb.jp/personal/watashi-taishou

スクリーンショット 2023-08-31 21.45.55◆この5月に現役を引退された元卓球選手の石川佳純さんの【わたし大賞】は、小中高と一緒に過ごしてきた親友に贈りたい『ずっと最高の友達でいてくれてありがとう賞』だ。詳細は以下。

https://www.asahi.com/ads/start/articles/00412/
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◆〆切りは10月5日。選定委員紹介のプロフィール中で【わたし大賞】への私の思いも書いた。是非ご一読を!そして、是非、ご応募をお待ちしています!
https://www.smtb.jp/personal/watashi-taishou

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©FUJIKAWA Konosuke

なかなか届かなかった場所◆詩「旅立ち」

◆教師を辞めて20数年が経つ。そこから1回1回大切にやってきた。
100回とかできるのだろうかと思っていた。
◆講演会の話だ。講演では詩の朗読を交え、認知症の母の体験を話してきた。
詩人としては朗読の場でもある。
◆9月3日(日)のいなべ市の講演で490回目の講演会になる。
このコロナ禍で500回目が遠かったが、もう後ろ姿が見えてきた。
◆その上、9月16日(土)の福井市での講演会で、
全国全ての都道府県を講演で回ったことになる。
◆今日は教師を辞めて、詩人として独り立ちし講演を始めた時に書いた
詩「旅立ち」を。
【9月の講演会のご案内】は詩の後に。

旅立ち
  藤川幸之助
昔、旅立ちに
人が別れを惜しんだのは
旅が命がけだったから。
時には道に迷い
時には病に倒れ
目的地にたどり着けない
者も多かった。
目的地にたどり着いた者は
口々に言う。
この一歩一歩の歩みがなければ
この一日一日の歩みがなければ
ここにはたどり着けなかったと。
命がけとは
その一日一日の
その一歩一歩に
自分の命の重みをかけること。
さあ、旅立つ時が来た!
©FUJIKAWA Konosuke

【9月の講演会のご案内】
http://www.k-fujikawa.net/lecture.php
◆2023年9月3日 (日) PM 1:30〜PM 3:30
会場 三重県いなべ市 北勢市民会館さくらホール 参加無料
講演内容 令和5年度・世界アルツハイマー月間・特別講演
申し込み・問い合わせ NPO法人・快生教学会
電話:0594-37-7062 (ポスターに申し込み方法があります)

◆2023年9月16日 (土) PM 1:00〜PM 3:00
会場 福井県福井市 福井商工会議所 コンベンションホール
(会場 100名・ZOOM 80名)無料 *ZOOMでの視聴が可能です。
講演内容 アルツハイマーデー記念講演会「支える側が支えられるとき」
問い合わせ 認知症の人と家族の会 福井県支部(嶺北認知症疾患医療センター内) 
安江恭代さん 電話:0776-28-2929 (ポスターに申し込み方法があります)

◆2023年9月23日 (土) PM 2:00〜PM 4:00
会場 愛知県蒲郡市 蒲郡市市民会館中ホール(先着400名)参加無料
講演内容 蒲郡市地域包括ケア市民向け研修会「支える側が支えられるとき」
問い合わせ 蒲郡市役所・長寿課 
電話:0533-66-1105

人生からの問い◆詩「問いは」

◆コロナの時期だったからだろうか、「この人生にどんな意味があるのか?」と、問うてみたくなる時があった。
◆アウシュビッツを生き抜き、『夜と霧』の作者V・E・フランクルは、問うのは人ではなく人生なのだと言う。
◆「私たちは問われている存在なのです。私たちは、人生がたえずそのときそのときに出す問い、「人生の問い」に答えなければならない」*と。
◆「あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない」*ともV・E・フランクルは言う。
◆人生の出す問いに自分なりの答を出しながら前へ進むそれ自体が、生きることではなかろうか。答を出すことではなく、答を出そうともがくこと、それが生きることではなかろうかと思うようになった。今日は詩「問いは」。
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問いは
   藤川幸之助
問いは
問われることも
問うことも
あまり得意ではなかった
ただそこにいて
自分に答えてくれる人を
待ち続けた
問いに
空は答えなかった
問いに
海も答えようともしなかった
猫は近づき
問いをなめ回した
犬は片足をあげ小便をかけて
どこかへ行ってしまった
答えが間違えていても
正解でも
答えがいくつも見つかっても
答えが無くても
問いには関係なかった
ただそこにいて
答えをまった
いや答えを待たないこともあった
ただ問いのまま
人に見つめられ
人の頭の中で
ぐるぐると巡り続けることが
実は問いにとっては
一番の楽しみだった
       詩集『おならの生きがい』(未刊)より       
*『それでも人生にイエスを言う』(春秋社 山田邦男 訳)
©Konosuke Fujikawa【詩*藤川幸之助】
◆自選・藤川幸之助詩集(致知出版)
 【支える側が支えられ 生かされていく】
 詳細は◆https://amzn.to/2TFsqRT
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多くの方々に詩を読んでいただければと思っています。

ピカソの言葉◆第24回認知症ケア学会・特別講演

◆久しぶりの投稿になります。
皆さんお元気ですか。
物書きがどこにも何も書かなくなったら、
死んだのではないかと思われるのは
私の年齢になると至極あたりまえのことですが。

◆私は生きております。
生きて、この6月4日(日)に国立京都国際会館で講演します。
第24回認知症ケア学会・特別講演です。
今年も認知症ケア学会主催の
「未来をつくる子どもたちの作文コンクール」
の最終選考もさせていただきました。
今回で10年目になります。

◆ピカソは言いました。
「ラファエロのように描くのに4年かかったが
子どものように描くのには生涯かかった」
大人になるにつれ常識を手に入れ、ひきかえに
持ち合わせていた感性を手放してきたようにも思います。

◆子どもたちの入賞作文の発表があって
その後、1時間30分私が講演をいたします。
大丈夫です。生きています。
とても広い会場ですので
お時間がある方は是非ご来場ください。
以下、講演の詳細と
講演で久しぶりに朗読する詩「おむつ」です。

◆演題 認知症の人と「この今」を生きる
    〜その存在に耳をすますということ〜
◆講演会名 第24回認知症ケア学会・特別講演5
◆講演日 2023年6月4日(日) 10:20~11:50
◆会場 国立京都国際会館
    ニューホール(第1会場/最大1600人)
◆お問い合わせ
 日本認知症ケア学会 事務センター「第24回大会」係
 電話:03-5206-7431 FAX:03-5206-7757
 10:00~12:00/13:00~17:00(土日・祝日除く)
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おむつ
         藤川幸之助
認知症の母が車の中でウンコをした
臭いが車に充満した
おむつからしみ出て
車のシートにウンコが染み込んだ
急いでトイレを探し男子トイレで
尻のしまつ始末をした
母を立たせたまま
おむつを替える
せま狭い便所の中で
母のスカートをおろす
まだ母は恥ずかしがる
「おとなしくしとかんとだめよ」
母のお尻をポンポンとたたいてみた
子供の頃のお返しのようで
少し嬉しくなった
母のお尻についたウンコを
ティッシュで何度も何度も拭いてやる
かぶれないように拭いてやる
母が私のウンコを拭いてくれたように
私は母で
母は私で
母の死を私のものとして見つめる
私の死を母のものとして見つめてみる
母と一緒に死を見つめてみる
狭い棺桶のような直方体の
白い便所の中で
鍵を開け母の手を引いて
便所から出る
そして
左手で母をつかまえたまま
私も便器に向かい
右の手で小便を済ませた
詩集『マザー』ポプラ社より
©FUJIKAWA Konosuke
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藤川幸之助 2023/06/01

「正常性バイアス」◆詩「手帳」

◆正常性バイアス(Normalcy bias)という心理学用語がある。事件や事故、自然災害など自分にとって被害が予想される状況下で、日常生活の延長上の出来事として捉えて「自分は大丈夫だ」とか「まだまだ大丈夫だ」などと思ってしまうことだ。◆母に認知症の症状が出はじめた時の私の反応が正にそうだった。母が60才、私が26才の時だった。認知症の母を前に、「あの気丈な母が認知症になるわけがない」とか「母はまだまだ大丈夫だ」と、認知症は自分とは関係ないことだと思っていた。いや、思いこもうとしたのかもしれない。◆私のように自分にとって都合の悪い情報を無視したり、状況を過小評価したりするのが、認知バイアスが強くかかった時の特性なのだ。◇今日は詩「手帳」。以下の講演会でも朗読する予定です。©Konosuke Fujikawa

◆講演会名 かながわ訪問看護フェスティバル2022
□講演日 2022年10月22日(土)12:20~16:00
◆申し込み締切り・令和4年10月12日(水)
◆お電話での申し込み 電話 045-263ー2933
https://www.townnews.co.jp/0114/2022/09/15/641424.html

◆講演会名 三沢市介護予防講演会
□講演日 2022年10月26日(水) 13:30~15:30
◆申し込み締切り・令和4年10月14日(金)
◆お問い合わせ
 青森県三沢市 健康福祉部 介護福祉課
 電話:0176-51-8773 FAX:0176-53-2266
http://www.k-fujikawa.net/lecture.php
R0040620
◆詩「手帳」
  藤川幸之助
母が決して誰にも見せなかった手帳
いつもバックの底深く沈め
寝るときは枕元に置き
見張るように母は寝た
その母の手帳が
今私の手の上に乗っている

手帳にはびっしりと名前が書いてある
父の名前、兄の名前、私の名前・・・
そして、手帳の最後には
自分自身の名前がふりがなを付けて
どの名前よりも大きく書いてある
何度も鉛筆でなぞった跡
母は何度も何度も覚え直しながら
これが本当に自分の名前なんだろうかと
薄れゆく自分の記憶に
ほとほといやになっていたに違いない
母の名前の下には
鉛筆をこぶし拳で握って押しつけなければ
付かないような黒点が
二・三枚下の紙も凹ませて
くっきりと残っている

捜すといつもこの手帳を持って
母は三面鏡の前にいた
記憶の中から消え去ろうとしている
自分の連れ合いの名前や
息子の名前を必死に覚え直し
自分の呼び名である「お母さん」を
何度も何度も何度も唱えていた
私に気づくと母はあわ慌てて
カバンの中にその手帳を押し込んだ
その悲しい手帳が
今私の手の上に乗っている
詩集「支える側が支えられ 
     生かされていく」(致知出版より)
©Konosuke Fujikawa【詩*藤川幸之助】
◆自選・藤川幸之助詩集
 【支える側が支えられ 生かされていく】
 詳細は◆https://amzn.to/2TFsqRT
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多くの方々に詩を読んでいただければと思っています。
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◆エッセイ集
「母はもう春を理解できない
 ~認知症という旅の物語~」

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◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ4
 絵本『赤いスパゲッチ』
 詳細は◆https://amzn.to/3qG7KrH
◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ3
 絵本『一本の線をひくと』
 詳細は◆https://amzn.to/345fHNq
◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ2
 絵本『おじいちゃんの手帳』
 詳細は◆https://amzn.to/2T9WJ3N
◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ1
 絵本『赤ちゃんキューちゃん』
 詳細は◆https://amzn.to/38Jlzw0
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