終巻『じいちゃん、出発進行!』

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◆2025年には65歳以上の認知症を患う人の数が700万人を超えるとの推計値もあります。今の子どもたちはこの超高齢化社会を支え、生きていかなければなりません。◆この認知症の状況を、知識からだけではなく、認知症の本人、家族、周囲の人の思いやつながりから子どもたちに学ばせたいと、昨年3月から「絵本 こどもに伝える認知症シリーズ」を作って参りました。◆やっとのこと、そのシリーズの第5弾・絵本『じいちゃん、出発進行!』が発売になりました。ある日、じいちゃんの頭とぼくの頭がゴツン!とぶつかって認知症のじいちゃんになったぼくの不思議な物語です。スッスッと話せない、字が書けない、記憶が消える、時計が読めない…など、認知症の人の世界を体験して認知症の理解を深める絵本です。◆これで、藤川幸之助・作「絵本 こどもに伝える認知症」シリーズ全5巻(クリエイツかもがわ)が完成し、「箱入り5冊セット」で5月18日(火)に発売となります。是非ご高覧ください。

◆新刊・『じいちゃん、出発進行!』と
【絵本シリーズの詳細は↓↓↓】
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【第5巻・絵本『じいちゃん、出発進行!』のご購入】
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【「絵本 こどもに伝える認知症」シリーズ全5巻セット】
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 ◆出版社「クリエイツかもがわ」でのご予約は
  この以下のチラシでのFAXまたは
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  10%off 9,000円(税込・送料無料)になります。
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◆シリーズ既刊本
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【第1巻・絵本『赤ちゃんキューちゃん』】
 https://youtu.be/JaJQ2E5jQAA

新型コロナウイルスが猛威を振るっております。
くれぐれもご自愛ください。

藤川幸之助
2021/05/05
©Konosuke Fujikawa

沈黙の重み◆詩「静かな夜に」

◆このオリンピック開会式に女性タレントを侮辱するような演出の提案があったそうだ。身体的特徴で他者を判断するルッキズムには断固反対であり、また動物に喩えるその表現がとても不快だ。◆その提案はグループライン内の仲間内でのやりとりだったらしい。内輪でのアイデアのやりとりが人前に出てしまい、「正しさ」で裁かれるのもあまり良い心持ちはしない。いつかAIなどで自分の頭の中のアイデアまでもが「正しさ」で裁かれる日がくるかもと思うと、背中が凍りつく。◆しかしながら、閉ざされた内輪のざっくばらんな中で、ルッキズムによる差別が許されてしまうのであればもっと不快だし、それはただの陰口だ。が、不快に感じるメンバーが数人いて提案は立ち消えになったのだそうだ。◆今日の詩は、「静かな長い夜」。認知症で言葉をなくした母の詩だ。口からなかなか出ない言葉は沈黙の意味を教えてくれる。口からつい出てしまった言葉は沈黙の重みを教えてくれる。©Konosuke Fujikawa
L1020239-2のコピー
静かな長い夜
        藤川幸之助
母に優しい言葉をかけても
ありがとうとも言わない。
ましてやいい息子だと
誰かに自慢するわけでもなく
ただにこりともしないで私を見つめる。

二時間もかかる母の食事に
苛立つ私を尻目に
母は静かに宙を見つめ
ゆっくりと食事をする。
「本当はこんなことしてる間に
 仕事したいんだよ」
母のウンコの臭いに
うんざりしている私の顔を
母は静かに見つめている。
「こんな臭いをなんで
 おれがかがなくちゃなんないんだ」

「お母さんはよく分かっているんだよ」
とひと他人は言ってくれるけれど
何にも分かっちゃいないと思う。

夜、母から離れて独りぼっちになる。
私は母というな凪いだ海に映る自分の姿を
じっと見つめる。
人の目がなかったら
私はこんなに親身になって
母の世話をするのだろうか?
せめて私が母の側にいることを
母に分かっていてもらいたいと
ひたすら願う静かな長い夜が私にはある。
『支える側が支えられ、生かされていく』(致知出版)
©Konosuke Fujikawa【詩・文*藤川幸之助】

◆自選藤川幸之助詩集
 【支える側が支えられ 生かされていく】
 詳細は◆https://amzn.to/2TFsqRT
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◆エッセイ集
「母はもう春を理解できない
 〜認知症という旅の物語〜」
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認知症・絵本第4巻、やっと発売!

◆暦の上では春ですが、新型コロナウイルスの影響での緊張はまだまだ続きそうです。皆さんくれぐれもご自愛下さい。
◆さて、藤川幸之助・作「絵本 こどもに伝える認知症」シリーズ(全5巻)を、順次刊行しております。その第4巻『赤いスパゲッチ』が1月19日(火)に発売になりました。◆長崎の赤い橋の架かる島に住んでいるおばあちゃんと主人公の栞ちゃんは文通をしています。手紙を出して一週間ぐらいすると、おばあちゃんからとてもきれいな字の返事が届きます。しかし、ある時から雑に書いた同じ文面の返事ばかりが届くようになったのです。認知症で変わっていくおばあちゃんに戸惑いながらも、そのおばあちゃんを受け入れていく子どもの様子を描いた絵本です。◆絵本を通して知識からだけではなく、認知症の本人、家族、周囲の人の思いやつながりから認知症を学ばせながら、差別や偏見をのりこえて、子どもたちの中に想像力、観察力、洞察力、共感力などを育んでいきます。◆誠に僭越ではございますが、ご高覧賜りたく連絡をさせていただきました。
【第4巻・絵本『赤いスパゲッチ』と既刊絵本の詳細は】
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赤いスパゲッチ書影
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藤川幸之助
2021/02/05
©Konosuke Fujikawa
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◆自選藤川幸之助詩集
 【支える側が支えられ 生かされていく】
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◆エッセイ集
「母はもう春を理解できない
 〜認知症という旅の物語〜」
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詩人・初エッセイ集、発売!◆あとがき

◆新型コロナウイルスの影響で緊張の続く毎日ですがお変わりなくお過ごしでしょうか。◆さて、今日は新刊・エッセイ集のお知らせです。「母はもう春を理解できないー認知症という旅の物語」(harunosora出版)が、1月27日に発売になりました。◆拙著・詩集『満月の夜、母を施設に置いて』を手がけてくれた尾崎純郎さんが編集をしました。24年間の認知症の母との日々をエッセイで紐解きました。全体の流れを感覚的に感じていただけるように、最初に私の撮った写真をならべています。◆今日はその書籍の「あとがき」を掲載します。大変ご多用の中とは存じますが、ご購入いただき、ご笑覧いただけましたら望外の喜びでございます。

◆詳細・ご購入は https://amzn.to/3o7ASX8
書影

あとがき
 この本の中で私は、認知症の母の後ろに広がっている人生やそれを支えた父や私の人生、その人生の重なり合いから生まれる思いや感情を書き連ねてきました。しかしながら、私の母に限ったことではなく、どの認知症の方の後ろにも、どの高齢者の方の後ろにも、もっと言えばどの人の後ろにも、違う様相を見せながらも同じように人生は広がっていて、その人を支える人がいて、その重なり合いから生まれるいろいろな思いや感情が息づいているのです。
 認知症の母との24年間は、生きづらい日々の連続でした。母との日々は私の人生にとって手枷足枷だとずっと思ってきました。しかし一方で、この生きづらさの中で、初めて私は私や私の人生の意味に気づかされました。私は明日の向こう側から本当の希望の歌を聞いたのです。母が亡くなり、このくびきから逃れられた今、この生きづらさの中にこそ、人生の喜びと味わいがあったのだと、その日々を振り返って思います。

 最後は、詩人として言葉を刻んでおきたいと思います。

 人生に悲しみを与えるな
 悲しみに人生を与えよ!

 根気強く待つことは信じることだと思います。母を見つめる父の瞳を思い出します。この本ができるまで忍耐強く待ってくれていたharunosoraの尾崎純郎さんに心より感謝しています。あなたのおかげで私の心の中に母がまいてくれた一粒の種がやっと芽を出しました。
詩人●藤川幸之助

みなさま、宜しければ「シェア」をお願いします。
多くの方々に本を読んでいただければと思っています。
©Konosuke Fujikawa【藤川幸之助】
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◆自選藤川幸之助詩集
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◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ2
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©Konosuke Fujikawa【詩・写真*藤川幸之助】
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朗読詩「絆」◆講演会のお知らせ


       藤川幸之助
絆とはもともと
動物を繋ぎ止めておく
綱のことらしい
だから絆という言葉は
あまり好きではなかった

仲良く食事をする母と息子を見かけた
絆どころかあんな風に
母と二人で外食したこともなければ
一緒に旅行した記憶もない
思春期以降の母との思い出は
悪態をついて家出したことぐらい

ある日、なんで俺がこんなことを?
と、愚痴りながらも
認知症の母のオムツを替えていると
ふと若い頃の母の顔を思い出した
幼い私のまとまらない話を
いつまでもいつまでも聞いてくれていた
母の笑顔を思い出した
母と繋がる一本の綱をたぐるように
泣いている私をただただ
理由も聞かずに強く強く抱きしめた
母の柔らかさを思い出した

絆とはもともと
動物を繋ぎ止めておく
綱のことらしい
だから絆が「深い」ではなく
絆が「強い」なのだそうだ
母と繋がる一本の綱を強く引き寄せる
私の命が深く強く輝く
「支える側が支えられ 生かされていく」(致知出版)より
©Konosuke Fujikawa【詩・動画*藤川幸之助】
◆自選藤川幸之助詩集
 【支える側が支えられ 生かされていく】
 詳細は◆https://amzn.to/2TFsqRT

◆藤川幸之助・講演会
「支える側が支えられるとき」
~認知症の母が教えてくれたこと~
◆日時:2020年11月26日(木) 13:30〜15:30
◆会場:名古屋芸術大学アートスクエア 大ホール
◆入場無料(チケット制 指定席 先着順) 定員320名
講演会主催:北名古屋市・清須市・豊山町
問い合わせ :北名古屋市高齢福祉課 地域包括ケア推進室
電話:0568-22-1111(内線3139)
※新型コロナウイルス感染症予防対策を講じて実施します。
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては中止になる可能性があります。
◆講演会の詳細は 
http://www.k-fujikawa.net/photo_1/1605678919043388.pdf

みなさま、宜しければ「シェア」をお願いします。
多くの方々に詩を聞いていただければと思っています。

©Konosuke Fujikawa【詩・朗読】
*藤川幸之助】
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◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ3
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◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ2
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◆絵本・こどもに伝える認知症シリーズ1
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©Konosuke Fujikawa【詩・写真*藤川幸之助】
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